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最新ヘッドマウントディスプレイ「PICO 4」をレビュー

こんにちは、合同会社ジーンのVR映像クリエイターの近藤将人です。

今回は、発売前から話題になっていた新しいヘッドマウントディスプレイ、「PICO 4」を紹介します。

この記事は、毎週金曜日20時更新のYouTube投稿をテキストに編集してお届けしています。

▼動画で観たい方は以下URLよりお楽しみください


PICO 4」8つの分析をプロ解説!

今回発売された「PICO 4」は、当チャンネルで2年前に取り上げた「PICO G2 4K」「PICO Neo3」の次に発表された、4世代目モデルです。
国内販売は2022年10月7日でしたが、販売当初から性能の高さが話題でした。

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PC要らず!すぐ遊べる

「PICO 4」は、PCがなくとも使用できるスタンドアローン(※)型のヘッドマウントディスプレイです。購入後にすぐに遊べるのが魅力です。もちろん、PCに接続してPC用のヘッドマウントディスプレイとして使用することもできます。

最近発売された6DoF(※)により、前後左右回転の全てに奥行きを感じる遊び方が可能です。

※スタンドアローン=「ネットワークや他の機器に接続しないで、単独で動作している環境」のこと[引用:Wikipedia
※6DoF=「前または後・上または下・左または右に(別の言い方では3次元の直交座標系の軸に沿って)動くことができ」ること[引用:Wikipedia


とにかくコンパクト

今回特徴的なのが本体のコンパクトさです。特に前方部分が小さく、全体の重さは588gほどに収まっています。
標準でヘッドストラップがついているので、オプションがなくともすぐにVR体験ができます。

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非常に心地よい装着感

後方にあるダイヤルを調整して装着します。

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可動域は広めで、かつホールド感も非常に良いです。 長時間プレイした時の装着感はいつも課題ですが、前方が重すぎないのでバランスが取れています。

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Meta Quest 2との見え方比較

瞳孔間距離を細かく設定できます。
よく比較されるMeta Quest 2は、58mm、63mm、68mmの3段階調整ですが、PICO4は62-72mmの間で0.5mm単位で調整が可能です。
瞳孔間距離で3Dの見え方が変わってくるので、0.5mm単位で調整できるのは良いですね。

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PICO 4


Meta Quest 2とPICO 4を比較した時に、正直PICO 4の映像の方がシャープで鮮明に見えて綺麗な印象でした。

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Meta Quest 2


メガネユーザーへの配慮も◎

今回、特徴的なのはレンズです。
PICO 4はパンケーキレンズを使用しているため、見え方が非常に綺麗です。

JINSのPICO 4専用視力矯正レンズは7,700円ほどで販売されています。カチャッと装着できますしカスタマイズ性も良く、使いやすいようです。
目の部分の装着感や肌触りも良いです。
オプションでは、メガネスペーサーとノーズパットもあります。メガネの柄が入らないヘッドマウントディスプレイもありますが、PICO 4は内側の横にくぼみがあるので入りやすくなっています。メガネユーザーにはありがたいヘッドマウントディスプレイですね。

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画面外の現実世界の確認もしやすい

カメラはカラーパススルーに対応しています。カラーパススルーはヘッドマウントディスプレイを装着している状態で色がついて現実世界を見ることができるものです。これまでヘッドマウントディスプレイは外側にカメラがついていたとしてもほとんどがモノクロで見るのが当たり前でした。

これによって現実世界の視認性が良くなりましたし、距離感もしっかり把握できます。カラーパススルーのヘッドマウントディスプレイは未経験でしたが、とても見やすく感じました。コンパクトなヘッドマウントディスプレイでもこれが可能になったのは、性能の進化ですね。

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モノクロに見えますが、一応カラーで見えている現実世界のキャプチャです…


入出力端子はUSB Type-Cのみ

入出力できるのはUSB Type-Cのみで、ヘッドフォン出力の端子はありませんでした。そのためヘッドフォンやイヤホンはBluetoothで接続するか、USB Type-Cから変換ケーブルを使って接続します。

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コントローラーは単3電池で

コントローラーは、ひとつにつき単3電池2本で動きます。操作感も良く握りやすいです。
プレイする際は、純正ストラップをつけて遊びましょう。

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VRクリエイターが遊んでみた!ユーザー視点の3つの使用感


使用感1:コンテンツ

AKB48の70分ほどのライブ配信がありガッツリ使いましたが、ユーザー体験としてはかなり面白かったです。

「PICOビデオ」というアプリケーションがデフォルトで入っていますが、TicTokerの「歌ってみた」「踊ってみた」などのライブ配信がありました。実写コンテンツに力を入れているので、日本向けコンテンツもどんどん拡充させているようです。

ゲームはPICO公式ストアで販売されているものを購入できます。Meta Quest 2の方がユーザーが多いので人気コンテンツが多い印象です。
この辺りはヘッドマウントディスプレイのシェアによって動きが変わってくるのではないかと思います。とは言うものの、遊べるコンテンツはたくさんあるので、PICO 4をひとつ買えば十分楽しめます。

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使用感2:バッテリーの持続時間

先ほど話した配信コンテンツ70分ほどを試聴するのに本体の充電を満タンにしていましたが、後半で「電池が少なくなりました」という警告が出ました。警告後にすぐに給電したのですが、給電しないと1時間もつかもたないか、という感じでした。今回は通信し続けていたのでバッテリーの消費が大きかったのかもしれませんね。
給電しながらプレイすることができますので、何かしら給電方法を考えないといけないかなと思います。

Meta Quest 2はオプションで後方にサードパーティのストラップでバッテリーがつけられるものがあるのですが、今回のPICO 4はストラップが外せないようです。給電方法を考えて遊ぶ場合は、今後検討が必要なのではと思います。


使用感3:排熱ファンの音

長時間プレイすると、前方からファンで冷やしているジーッという音が聴こえています。本体のコンパクトさから熱がこもるようなイメージがありますが、きちんと排熱されているように感じました。
長時間ライブ配信で70分ほど通信させ続けていた時に処理が落ちるようなことはありませんでしたし、ファンの音はヘッドフォンやイヤフォンなど装着していれば気になりませんでした。
きっと重めの処理が必要なゲームで遊んだ場合も、そんなに問題にはならないだろうと思います。

VRクリエイター視点で見る、2つのおすすめポイント


この性能でこの価格は驚き

これだけ新しいことができるようになってきたヘッドマウントディスプレイですが、価格に驚きました。128GBは49,000円、256GBは59,400円です。クエスト2は128GBは59,400円、256GBは74,400円なので、とても買いやすいです。
この性能をこの価格帯まで落とし込んできたのは、正直すごいなと思いました。

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期待できる今後のコンテンツ

近いところでは、アベマとコラボしてW杯の決勝・準決勝も視聴できるようですね。今後もコンテンツが拡充していくようなので、ヘッドマウントディスプレイを購入検討している方はぜひ選択肢に入れていただきたいですね。

体験会などもやっているようですので、最寄りの店舗などでまずはぜひ体験してもらえたらと思います。

まとめ

コンテンツやクオリティの勢いを感じています。まだスタンドアローンでしか試していないので、PCで動かした時の快適さや見え方は今後試していきたいと思います。

映像編集する際にはAdobeのPremiere Proでもうまく動いてくれたらいいですよね。SteamVRが動くのなら動くかもしれません。僕も試してみたいと思います。

これからPICO 4がどんな勢いでいくのか、他メーカーが技術的にどう向上してくるのか。今後もスタンドアローンヘッドマウントディスプレイの動向は見逃せませんね。

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【執筆者紹介】
近藤将人
 合同会社ジーン代表
 VR 映像クリエイター

▼WEB・SNS
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